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手紙 [books]

映画で話題になっているので、原作を読んでみた。
いつものように、設定が違っているところがかなりあるみたいだね。

原作を読んでみて…。
なんというか、難しいなと。
家族に殺人事件の犯人がいるということが、あまりにも現実とかけ離れていて、想像が難しい。

殺人犯の弟という立場になってしまった直樹。
そのことを隠さないと仕事も住む所も見つからない社会。
隠していたことが明るみにでると、なぜ正直に言わなかったのかと責められる。

そんな彼のところに毎月届く兄からの手紙。
兄の存在を忘れることを許さないかのように、毎月毎月…。

色々な人たちとの出会いと別れ。
別れといっても普通ならば別れる理由がないのに、兄のことが知れたためにそうせざるを得ない。
諦めて、逃げるように別の場所で新しい生活を始めるが、またそこでも同じことが繰り返される。

兄の犯した罪の動機が自分の大学へ進学するための費用を賄うためであることを知っているだけに、兄と絶縁することに踏ん切りがつかない弟。

彼が最後に下した決断は良い、悪いということで判断はできないと思う。
彼が今後、この決断についての苦しみから解放されることは無いだろう。

「家族が差別されて苦しんでいることを知るのも犯人の刑罰の一つだ」という言葉が印象的だった。
この刑罰を受けられる人なら再犯なんてしないんだろうな。

手紙

手紙

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫

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